現代アートの世界では、「人気作家」「話題の作家」という言葉がよく使われます。 しかし、単に名前が知られているから、価格が上がっているからという理由だけで取り扱いを決めてしまうと、 長期的にはお客様にとっても、事業としてもリスクが大きくなります。
弊社では、人気作家の作品を扱う際に、主に次のようなポイントを意識しています。
- 作品がどのような「文脈」や「テーマ」の中で評価されているか
- 国内外のギャラリーや美術館での取り扱い・展示の実績
- 版元やギャラリーなど、一次流通の情報がどこまで追えるか
- 作品のコンディションやエディション管理が適切に行われているか
特に重要だと考えているのは、「どこから来た作品なのか」が説明できることです。 作品そのものの魅力はもちろんですが、どのチャネルを通じて流通してきたのかが明確であるほど、 お客様に安心してご提案しやすくなります。
また、人気作家の作品は短期的な価格の動きだけに注目されがちですが、 弊社としては「その作品をどのようなお客様に、どんな文脈で紹介したいか」という視点も重視しています。 単に「高く売れるもの」ではなく、お客様の空間や事業のコンセプトに合うかどうか。 その観点から、取り扱う作家・作品を慎重に選定しています。
本コラムはあくまで一般的な考え方であり、特定の作家や作品の投資・購入を推奨するものではありませんが、 アートを「資産性」と「ストーリー性」の両面から捉える一つの参考になれば幸いです。